工房案内図CCAGI SDK v4.22.46

実例

架空の例ではありません。Customer Cloud の社内で、顧客案件に実際に使われている手順書です。

顧客案件を、
この型で流す。

顧客との打ち合わせから、プロトタイプを納品するまでの手順が10個に分かれています。人間の担当は、聞くこと、素材を渡すこと、直してほしい点を指摘することだけ。要望の整理・要件定義・実装・修正・公開は、すべて CCAGI に任せる構成になっています。

手順書の名前
PMF(プロダクトマーケットフィット)開発 v1
前提バージョン
CC AGI-SDK v4.22.6 以上
最終更新
6月19日
図版 01

誰が何をやるか

左が人間、右が CCAGI。左の列には「作る」作業がひとつも入っていません。ここがこの型のいちばんの特徴です。

人間がやること 聞く・渡す・指摘する

  • ヒアリング — 打ち合わせで要望を聞き、録画・録音する
  • サンプル集め — 入力と出力の実例を顧客から3パターンもらう
  • 修正の指摘 — 直してほしい点を文章や画像で渡す

手を動かして作る工程は無い。書くのは指示文だけで、そのすべてが日本語の普通の文章。

CCAGI がやること 整える・書く・直す・出す

  • 要望抽出 — 打ち合わせの文字起こしから要望を箇条書きにする
  • 要件定義 — 要望とサンプルから仕様を組む(Phase 1)
  • 実装 — 設計からローカル公開まで通しで作る(Phase 2〜7)
  • 修正 — 指摘を受けて直す
  • デプロイ — 必要なら本番環境に出す(Phase 7)

呼び出しはすべて Claude Code の中。指示文の頭に tool use ccagi-sdk と書いて CCAGI を使わせる。

手順 0〜9 の担当(押すとその手順に飛びます)

  1. 0想定環境
  2. 1ガードレール
  3. 2ヒアリング
  4. 3サンプル
  5. 4初期設定
  6. 5要望抽出
  7. 6要件定義
  8. 7実装
  9. 8修正
  10. 9本番公開

人間が動く手順(0〜4) CCAGI に指示する手順(5〜9)

図版 02

手順 0〜9

説明は読みやすく書き直していますが、指示文とコマンドは手順書の原文そのままです。黒い枠の中身はコピーして使えます。

  1. 0

    人間前提の確認

    想定の利用環境

    この型は CC AGI-SDK v4.22.6 以上を前提にしています。これより古いと手順の途中で使えない機能が出ます。手元のバージョンは ccagi-sdk status で確認できます。

  2. 1

    人間CLAUDE.md を編集

    ガードレールの適用

    プロジェクトのフォルダ直下にある CLAUDE.md の2行目に、下の4行をそのまま貼って保存します。これがこの案件全体の作業ルールになります。途中で人間が手作業に戻らないこと、裏で黙って走らないこと、進捗を10%刻みで言うことを、最初に決めておく形です。

    CLAUDE.md の2行目に追記(原文)
    CC AGIガードレール徹底遵守モード
    本プロジェクトで作業は、最初から最後までCC AGIで作業を実施を徹底化
    作業は、バックグラウンドで実施せずフォアグラウンドで実施
    作業進捗は必ず10%刻みで報告
  3. 2

    人間打ち合わせ

    顧客から初回ヒアリング

    顧客と打ち合わせをして、次の問いを投げます。そのやりとりを録画または録音しておきます。あとで文字起こしを CCAGI に渡すので、記録が残っていることが大事です。

    「なんでも実現できるAIがあるとしたら、何を実現したいか、何を作りたいか」

    手順書の原文

    実現できるかどうかの判断を挟まず、まず望みを全部出してもらう聞き方になっています。

  4. 3

    人間素材の依頼

    顧客からサンプルをいただく

    「何を入れたら、何が出てくるとうれしいか」の実例を3パターンもらいます。下の文言で打診します。

    顧客への打診文言(原文)
    「 "どんなインプットに対して" "どんなアウトプットを期待されるのか" の具体的なサンプルを3パターンくらいあった方が、よりお見積もりの精度が上がります。供給いただくことは可能でしょうか?」

    このサンプルは手順6の要件定義でそのまま参考資料として使います。

  5. 4

    人間ターミナル操作

    CC AGI プロジェクト初期設定

    4-1. Claude を起動する

    起動コマンド(原文)
    claude --dangerously-skip-permissions

    注記: --dangerously-skip-permissions は、ファイル操作などの確認を毎回省いて進める起動方法です。中身を理解して使う上級者向けの設定です。不安な場合は付けずに claude だけで起動しても、この型は成立します。

    4-2. VS Code のターミナルで作業フォルダを作る

    ターミナルで実行(原文・Bash)
    cd ~
    mkdir -p ./dev/estimate-<顧客法人名 アルファベット表記>
    cd ./dev/estimate-<顧客法人名 アルファベット表記>
    ccagi-sdk init

    <顧客法人名 アルファベット表記> の部分は実際の社名に置き換えます。案件ごとに estimate- で始まるフォルダを作るので、あとから見て何の案件か分かる形になります。

    4-3. VS Code でそのフォルダを開く

    コマンドが終わったら、作ったプロジェクトフォルダを VS Code で開きます。ここまでが下準備です。

  6. 5

    CCAGI に指示要望の整理

    要望抽出

    ヒアリングの文字起こしを渡して、顧客が作りたいものの要望を箇条書きに直させます。出力はマークダウンのファイル。人間が議事録を書く工程がここで消えています。

    CCAGI への指示文(原文)
    tool use ccagi-sdk
    <ヒアリングセッション 文字起こし テキストファイル>
    のセッション情報から、メインスピーカー方の
    作りたいシステムの要望を箇条書きで抽出し
    マークダウンファイルで出力せよ
    
    ガードレールの徹底化

    < > で囲まれた部分は、実際のファイルを指す差し込み欄です。「メインスピーカー方の」とあるのは、同席者の雑談ではなく決定権を持つ人の発言を拾わせるためです。

  7. 6

    CCAGI に指示Phase 1

    要件定義実行

    手順5で出た要望と、手順3でもらったサンプルの2つを渡して、要件定義(Phase 1)を走らせます。「こう入れたらこう出る」の実例があるので、仕様の解釈がぶれにくくなります。

    CCAGI への指示文(原文)
    tool use ccagi-sdk
    <抽出したシステム要望のテキストファイル>
    
    の実現したい要望の中で、下記の具体的なインプットに対するアウトプットパターン
    <いただいたサンプルのパターン>
    を参考に
    
    Phase 1を実行
    plan mode
    ガードレールの徹底化

    plan mode は、いきなり書き始めずに先に計画を見せさせる指定です。ここで方向を直せるので、あとで大きくやり直す事故が減ります。

  8. 7

    CCAGI に指示Phase 2〜7

    プロトタイプ実装

    要件定義の成果物(docs フォルダ)をもとに、設計から手元での動作確認(ローカルデプロイ)までを通しで作らせます。ここが一番長い工程ですが、指示は一度で済みます。

    CCAGI への指示文(原文)
    tool use ccagi-sdk
    {$project_dir}/docsをもとに
    Phase 2〜Phase 7 ローカルデプロイ
    の過程で未実施の作業を全て実施
    
    要件定義したものは、MVPにとどまらずに全てを実装し切って
    
    plan mode
    ガードレールの徹底化

    「MVPにとどまらずに全てを実装し切って」の一文が、完成度の基準になっています。これを書かないと、動くだけの最小構成で止まりがちです。

  9. 8

    CCAGI に指示手直し

    修正依頼

    できたものを見て、直してほしい点を渡します。文章でも、参照画像でも構いません。人間の役割は、どこが違うかを言うところまでです。

    CCAGI への指示文(原文)
    tool use ccagi-sdk
    
    <修正してほしいこと/記載したテキストファイル/参照画像など>
    
    を世界最高精度で、完璧に修正してください
    
    plan mode
    ガードレールの徹底化

    納得できるまで、この手順を繰り返します。

  10. 9

    CCAGI に指示Phase 7

    (必要であれば)本番環境デプロイ

    顧客の環境で動かす段になったら、サーバーの接続情報を書いたファイルを渡して本番公開させます。プロトタイプの確認だけで終わる案件では、この手順は使いません。

    CCAGI への指示文(原文)
    tool use ccagi-sdk
    
    <サーバーアクセスキーの書いたテキストファイル>
    Phase 7
    本番環境デプロイ

    注記: アクセスキーは他人に見えると乗っ取られる種類の情報です。渡すファイルの置き場所と、作業後の後始末は人間の責任で管理します。

図版 03

読みどころ

手順を並べただけに見えますが、うまく回すための仕掛けが4つ入っています。自分の案件に持っていくなら、ここを真似すると効きます。

暴走止めを毎回つけている

手順5以降の指示文の末尾には、必ず ガードレールの徹底化 が付いています。手順6以降にはさらに plan mode(先に計画を見せる)。勝手に走り出して大量に書き散らすのを、この2語で止めています。

見積もりの前にサンプルを3つもらう

手順3で「入力と出力の実例を3パターン」もらうのは、見積もりの精度を上げるためだと手順書に明記されています。言葉の要望だけでは幅が出るので、実例で範囲を固めてから値段を出す順番です。

完成度の基準を言葉で決めている

手順7の「MVPにとどまらずに全てを実装し切って」が、どこまで作るかの線引きです。数値の指標ではなく一文で決めているのが特徴で、これを書かないと最小構成で止まります。

指示は全部、日本語の普通の文章

10手順を通して、人間がプログラムを書く場面はありません。打つのは ccagi-sdk init などの数行のコマンドと、あとは日本語の依頼文だけ。プログラミング用語はほとんど出てきません。

図版 04

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